抗がん剤治療にかかる費用(薬剤費)

基本的に日々の業務の中での覚え書きになります。がん薬物療法における安全性や薬剤費(薬価)の概算などを中心に記載していますが、抗がん剤治療を受けている患者さまの経済的不安の解消につながれば幸いです。

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2010年、抗悪性腫瘍薬テモゾロミドの注射製剤(テモダール点滴静注用100mg)が発売された。この主成分は、2006年にカプセル製剤として「悪性神経膠腫」の適応を取得している。今回承認された点滴注射製剤は、カプセル製剤と生物学的同等性が検証された結果、カプセル剤と同じ適応で承認された。

悪性神経膠腫とは、脳腫瘍の神経膠腫に分類される腫瘍群のうち、悪性度の高い腫瘍の総称である。この悪性神経膠腫は、脳組織内に発生し周囲の脳組織内に浸潤しながら発育することから、脳機能を保持するために外科的手術、術後放射線療法、術後補助化学療法を組み合わせた治療が行われる。

テモゾロミドは、血液脳関門を通過しやすく、脳脊髄液への移行性も良好という特徴がある薬剤である。
テモゾロミドの点滴注射製剤は、頭蓋内圧上昇に伴う悪心・嘔吐や、脳幹への腫瘍の浸潤などによって、カプセル製剤の服用が困難な症例などに対して、有用な治療選択肢である。

【用法及び用量】
下記のとおり本剤を90分間かけて静脈内投与する。

初発の場合
放射線照射との併用にて、通常、成人ではテモゾロミドとして75mg/㎡(体表面積)を1日1回42日間投与し、4週間休薬する。その後、本剤単独にて、テモゾロミドとして150mg/㎡(体表面積)を1日1回5日間投与し、23日間休薬する。この28日を1クールとし、次クールでは1回200mg/㎡に増量することができる。

再発の場合
通常、成人ではテモゾロミドとして150mg/㎡(体表面積)を1日1回5日間投与し、23日間休薬する。この28日を1クールとし、次クールで1回200mg/㎡に増量することができる。


ここから薬剤費の計算です。
テモダール点滴静注用100mgの薬価は、36,794円/1瓶です。
身長170cm、体重60kg、体表面積1.65㎡の患者を想定すると、投与量は 
75mg/㎡(体表面積) → 1.65㎡×75mg/㎡=123.75mg → 36,794円×2瓶=73,588円
150mg/㎡(体表面積) → 1.65㎡×150mg/㎡=247.5mg → 36,794円×3瓶=110,382円
200mg/㎡(体表面積) → 1.65㎡×200mg/㎡=330.0mg → 36,794円×4瓶=147,176円

初発の放射線照射との併用時(75mg/㎡)は、42日間投与するため、73,588円×42日=3,090,696円/1クールとなり、薬価で約300万円、3割負担で90万円です。
その後の単剤療法、再発時の150mg/㎡を5日間投与では、110,382円×5日間=551,910円/1クールとなり、薬価で約55万円、3割負担で16万円です。200mg/㎡の場合は、150mg/㎡の薬剤費を1.33倍してください。

しかし、とてつもない金額ですね...
そもそも、この点滴治療はカプセル製剤の服用が困難な症例などに対して有用な治療選択肢となる訳で、内服薬で治療する場合はどうなるんでしょうか?

カプセル剤の薬価は、
テモダールカプセル20mg 3,276.5円/1カプセル
テモダールカプセル100mg 16,390.9円/1カプセルです。

75mg/㎡(体表面積) → 1.65㎡×75mg/㎡=123.75mg → 16,390.9円+3,276.5円×2=22,943.9円(31%対点滴)
150mg/㎡(体表面積) → 1.65㎡×150mg/㎡=247.5mg → 16,390.9円×2+3,276.5円×3=42,611.3円(39%対点滴)
200mg/㎡(体表面積) → 1.65㎡×200mg/㎡=330.0mg → 16,390.9円×3+3,276.5円×2=55,725.7円(38%対点滴)

となりますので、点滴治療を行うより35%前後の薬剤費で治療ができそうです。












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