抗がん剤治療にかかる費用(薬剤費)

基本的に日々の業務の中での覚え書きになります。がん薬物療法における安全性や薬剤費(薬価)の概算などを中心に記載していますが、抗がん剤治療を受けている患者さまの経済的不安の解消につながれば幸いです。

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血液癌の一つである多発性骨髄腫では、通常は骨髄に1%未満しか存在しない形質細胞が癌化して骨髄内で増殖し、免疫能低下などを来す疾患である。原因は不明だが、遺伝的素因が疑われており、高齢者に好発し、40歳未満の発症はまれである。症状はさまざまで、骨髄腫細胞の増殖により、造血が抑制されて貧血や白血球減少が起きるほか、M蛋白の増加による腎機能低下、破骨細胞の活性化による骨破壊などが起こる。

ベルケイド(ボルテゾミブ)は、細胞内に存在する酵素複合体「プロテアソ-ム」を阻害することで抗骨髄腫細胞作用を発揮する。プロテアソ-ムは、細胞内で不要となったタンパク質を分解する酵素であり、細胞周期に重要な役割を担っている。骨髄腫細胞をはじめとする腫瘍細胞は、細胞周期に関連したこのプロテアソームにも何らかの異常があり、正常細胞よりもプロテアソーム阻害薬に対する感受性が高いと考えられている。


【適応】
再発又は難治性の多発性骨髄腫
本剤による治療は少なくとも1つの標準的な治療が無効又は治療後に再発した患者を対象とし、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討した上で、本剤の投与を開始すること。

【副作用等発現状況】
国内臨床試験の安全性評価症例において、34例中34例(100%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、貧血[25例73.5%]、リンパ球数減少[22例64.7%]、白血球数減少、好中球数減少、食欲不振、便秘、発熱[18例52.9%]、下痢[17例50.0%]、悪心、血小板数減少[16例47.1%]、好中球減少症、AST(GOT)増加、LDH増加[15例44.1%]、白血球減少症[14例41.2%]、血小板減少症、感覚減退[13例38.2%]、リンパ球減少症[12例35.3%]、疲労[11例32.4%]であった。

【重大な副作用】
・国内の臨床試験において、本剤との因果関係の否定できない肺障害(間質性肺炎)による死亡例が認められている。
心障害(心肺停止、心停止、うっ血性心不全、心原性ショック)による死亡例、うっ血性心不全の急性発現又は増悪、左室駆出率低下が報告されている。
感覚障害による末梢性ニューロパシーが報告されている。

【用法及び用量】
通常、成人に1日1回、ボルテゾミブとして1.3mg/㎡を週2回2週間(1、4、8、11日目)静脈内に投与した後、10日間休薬(12~21日目)する。この3週間を1サイクルとし、投与を繰り返す。本剤は最低72時間空けて投与すること。
8サイクルを超えて継続投与する場合には上記の用法・用量で投与を継続するか、又は維持療法として週1回4週間(1、8、15、22日目)静脈内投与した後、13日間休薬(23~35日目)する。この5週間を1サイクルとし、投与を繰り返す。

ベルケイドここで薬剤費の計算です。ベルケイドの投与量は体表面積あたり1.3mg/㎡なので、ほとんどの方が1回1瓶(ベルケイド注射用3mgの薬価は164,934円)になります。

用法用量より、1サイクル4回投与するので164,934円×4回=659,736円で、薬剤費は薬価で約65万円/1サイクル、3割負担で約20万円/1サイクルになります。7サイクル目までは3週間で1クール、8サイクル目以降は5週間で1クールの維持療法へ切り替わる場合もあります。ベルケイドは外来化学療法で行うこともできますが、入院しているときとは違い包括算定されませんので、すべて出来高算定となり患者の負担になってきます。

そんな高額な薬剤のため、英国では効果がなかった患者がいた場合に治療を取りやめ、NHSが負担した治療費を企業側が払い戻すという指針案を発表したという経緯があります。

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2014.07.11 11:16  | # [ 編集 ]













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