抗がん剤治療にかかる費用(薬剤費)

基本的に日々の業務の中での覚え書きになります。がん薬物療法における安全性や薬剤費(薬価)の概算などを中心に記載していますが、抗がん剤治療を受けている患者さまの経済的不安の解消につながれば幸いです。

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骨髄異形成症候群(MDS)は、非常に高い確率で白血病への移行が見られる予後不良の難治性疾患(日本では難病指定)である。主な症状は、貧血による全身倦怠感、白血球減少による易感染性、血小板減少による出血傾向などであり、合併症として、輸血による鉄過剰症や多臓器障害などが挙げられる。

今回、MDSに適応を有する薬剤として、シタラビン オクホスファート水和物(スタラシド)、レナリドミド水和物(レブラミド)に続き、アザシチジン(ビダーザ)が発売された。
ビダーザは、アザシチジンとして75mg/㎡を1日1回7日間皮下投与又は10分かけて点滴静注し、3週間休薬する。これを1サイクルとし、投与を繰り返す。


それでは、身長170cm、体重60kg、体表面積1.65㎡の患者を想定して、ビダーザ1サイクルにかかる薬剤費を計算してみたいと思います。ちなみにビダーザ注射用100mg 1瓶の薬価は、49,993円です。

75mg/㎡×1.65㎡=123.75mg
49,993円(100mg/V)×2=99,986円(約10万円
このようにほとんどの患者でビダーザ注射用100mgが2瓶必要となり、約10万円/日になります。
これを7日間繰り返す訳なので、
約10万円/日×7日=約70万円/1サイクルです。
3割負担に換算しても約21万円/1ヵ月になってしまいます。


【参考】
レブラミドカプセル5mg 薬価:8,861円(1カプセル)

適応:再発又は難治性の多発性骨髄腫/5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群

再発又は難治性の多発性骨髄腫
デキサメタゾンとの併用において、通常、成人にはレナリドミドとして1日1回25mgを21日間連日経口投与した後、7日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。

5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群
通常、成人にはレナリドミドとして1日1回10mgを21日間連日経口投与した後、7日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。

8,861円×2= 17,722円(10mg/日)
17,722円×21日=372,162円(約37万円/1サイクル)
骨髄異形成症候群の治療には、レブラミド内服の選択肢もあり、ビザーダ治療と比べて約半分の治療費ですむことが分かったが、今回は効果については触れないでおく。
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CEA(癌胎児性抗原)大腸がんなど消化器系がんの診断補助、病期判定、治療効果判定、経過観察
CEAは胎児の消化管粘膜と共通の抗原性を持つ糖蛋白である。CEAは正常でも消化管、呼吸器、皮膚など上皮組織に広く発現しており、血清CEA値はこれらの悪性・良性病変、あるいは生理的変化により上昇する。CEAは腺癌で高値を示すことが多いが、扁平上皮がんや神経内分泌細胞由来のがんなどでも上昇することがある。

CA15-3(糖鎖抗原15-3)乳がんの病期判定(原発性乳癌で高値を示した場合、進行乳癌を疑う)、治療効果判定、経過観察、予後推定
CA15-3はヒト乳脂肪球膜と乳癌肝転移細胞に対する2種類のモノクローナル抗体によって認識される糖鎖抗原である。再発乳癌の発現には、CA15-3とCEAを組み合わせた測定が有用である。

CA19-9(糖鎖抗原19-9)膵がん・胆道がんなど消化器系がんの診断補助、治療効果判定、経過観察、予後推定
CA19-9は血液型抗原ルイスAにシアル酸が付加した糖鎖抗原である。CA19-9は正常でも膵管、胆管、胆嚢、唾液腺、気管支腺、前立腺、胃、大腸、子宮内膜などに発現しており、これらの癌化により大量に産生される。

SCC抗原(扁平上皮癌関連抗原)扁平上皮癌を疑うときの診断補助、治療効果判定、経過観察
SCC抗原は扁平上皮の関連物質であり、正常扁平上皮細胞および扁平上皮癌細胞のどちらにも存在する。扁平上皮癌では細胞から放出されやすい亜分画が増加するため、血清SCC抗原値が上昇する。

AFP(α-フェトプロテイン)肝細胞がんなどの診断補助、治療効果判定、経過観察、予後推定
AFPは胎児期に肝と卵黄囊で産生される糖蛋白で、癌胎児性抗原のひとつである。AFPは1歳を過ぎると生体内ではほとんど産生されなくなるが、肝細胞の癌化などにより蛋白産生の調節も幼若化をきたし、再び産生されるようになる。AFPのみでは良性肝疾患との鑑別は困難である場合が多いため、経時的変化で上昇を確認するか、AFP-L3分画の測定を行う。AFPまたはPIVKA-Ⅱの定期的な測定は、肝細胞癌の早期発見を含めた慢性肝疾患の経過観察に有用である。

CA125(糖鎖抗原125)卵巣癌などの診断補助、治療効果判定、経過観察
CA125は卵巣漿液性嚢胞腺癌に対するモノクローナル抗体によって認識される糖鎖抗原である。CA125は正常でも腹膜、胸膜、心囊膜、卵管・子宮内膜などに発現しており、血清CA125値はこれらの悪性・良性病変、あるいは生理的変化により上昇する。CA125は子宮内膜症の診断補助、治療効果判定にも用いられている。

PSA(前立腺特異抗原)前立腺癌のスクリーニング、病期判定、治療効果判定、経過観察
PSAは前立腺上皮細胞から分泌される蛋白分解酵素であり、精液の液状化に関与している。PSAの多くは精液や尿に排泄されるが、一部は間質を経て血中へと移行する。血清PSA値は前立腺実質量の増加や前立腺組織の破壊などにより上昇する。加齢とともに前立腺実質量は増加し、血清PSA値も上昇するため、成人期以降の男性では健診時にPSA測定を繰り返すことは基礎値を知る上で有用であり、前立腺癌の早期発見に役立つと考えられている。
腫瘍マーカーとは「正常細胞ではほとんど産生されずがん細胞から特異的に産生される物質や、がん細胞が生体内にあることによって産生される物質の中で、それを生体内あるいは生体から得られた試料内に検出することによって、がんの存在、部位、種類、進行度など、がんの状態を知る指標となるもの」のこと。

しかし、腫瘍マーカーは生理状態やがん以外の良性疾患などでも上昇することがあるため、腫瘍マーカーの検査時にはこれらによる変動を考慮する必要がある。

(臨床で利用されている腫瘍マーカー検査の多くは、その感度と特異度が低く、早期がんの発見には効力を発揮できない。そのため、腫瘍マーカー検査は、主として診察および画像検査などの他の検査の結果からがんが強く疑われる場合などに行われている。がんの診断を確定するためには、画像検査や病理検査などによってがんの存在を確認すること。)


がんの種類と検診・診断で用いられる主な腫瘍マーカー

肝がん:AFP、AFP-L3分画、PIVKA-Ⅱ
膵がん:CEA、CA19-9、Dupan-2、CA50、Span-1
胆道がん:CEA、CA19-9
食道がん:CEA、SCC抗原
胃がん:CEA、CA19-9、AFP
大腸がん:CEA、CA19-9、NCC-ST-439
肺がん:CEA
腺がん:シアリルSSEA-1(SLX)、CA19-9
扁平上皮がん:SCC抗原、CYFRA21-1
小細胞がん:NSC、ProGRP
乳がん:CEA、CA15-3、BCA225、NCC-ST-439
卵巣がん:CA125、CEA、CA19-9、CA72-4、GAT、AFP
子宮頸がん:SCC抗原、CA125
子宮体がん:CA125、CA19-9
前立腺がん:PSA、PAP
膀胱がん:BTA、NMP22

臨床検査の結果を解釈する際は、臨床検査の利用目的によって用いる判断基準(基準値やカットオフ値など)が異なる。
基準値:一定の条件を満たした健常人集団が示す測定値群のこと。
カットオフ値:主に目的とする疾患群について非疾患群との判別をする際に用いられる値。
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