抗がん剤治療にかかる費用(薬剤費)

基本的に日々の業務の中での覚え書きになります。がん薬物療法における安全性や薬剤費(薬価)の概算などを中心に記載していますが、抗がん剤治療を受けている患者さまの経済的不安の解消につながれば幸いです。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- --:-- | スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-) |
ネクサバールは、腫瘍の細胞増殖を抑制し血管新生を阻害する、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌・切除不能な肝細胞癌を適応とした世界初の経口キナーゼ阻害剤である。細胞増殖に関わるシグナル伝達経路であるRaf/MEK/ERK 経路を構成するC-Raf 及びB-Raf のセリン・スレオニンキナーゼ活性の阻害、及び腫瘍の増殖及び転移に必要とされる血管新生に関わる受容体型チロシンキナーゼ(RTK)であるVEGFR 及びPDGFR のチロシンキナーゼ活性を阻害する。加えて、腫瘍進行・予後に関与するRTK であるFLT-3 やc-KIT も本剤は阻害する。


【効能効果】
当初、根治切除不能又は転移性の腎細胞がんだけだったが、切除不能な肝細胞がんにも適応が通った。

特に肝細胞がんに対しては以下のように記載されているので要注意!
①局所療法(経皮的エタノール注入療法,ラジオ波熱凝固療法,マイクロ波凝固療法,肝動脈塞栓療法/肝動脈化学塞栓療法,放射線療法等)の適応となる肝細胞癌患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない。
②肝細胞癌に対する切除及び局所療法後の補助化学療法における本剤の有効性及び安全性は確立していない。
③肝細胞癌患者に本剤を使用する場合には,肝機能障害の程度,局所療法の適応の有無,全身化学療法歴等について,「臨床成績」の項の内容に準じて,適応患者の選択を行うこと。

【用法用量】
通常、成人にはソラフェニブとして1回400mgを1日2回経口投与する。なお、患者の状態により適宜増減する。
ここで処方間違いが起こりやすいのが、1回400mgなので1日で400mgを2回に分けるのではないということ。ティーエスワンという抗がん剤が発売されたときはよく間違われていた。

201001142240000.jpgよって、ネクサバール200mg錠(5,426円)を1日4錠、つまり5,426円×4=21,704円ということになる。
1ヵ月でおよそ65万円(3割負担で19.5万円)、1年で78万円の薬剤費がかかってしまう。
これは明らかに高額療養費制度を利用しなければ治療を続けることは困難な薬剤だ。...と言える?


【副作用】
とにかく副作用が多いと言う印象の薬である。全うに服用し続けられる患者はほとんどいないんではないだろうか?

腎細胞癌患者及び肝細胞癌患者を対象とした国内臨床試験において,145例中141例(97.2%)に副作用が認められた。主な副作用の発現例数(発現率)は,リパーゼ上昇85例(58.6%),手足症候群80例(55.2%),アミラーゼ上昇59例(40.7%),発疹59例(40.7%),脱毛53例(36.6%),下痢51例(35.2%),高血圧40例(27.6%),疲労23例(15.9%),食欲不振21例(14.5%),掻痒21例(14.5%),体重減少18例(12.4%),嗄声16例(11.0%),AST(GOT)上昇15例(10.3%)など。

副作用発現により減量、休薬基準が設けられているため、通常用量(薬剤費)よりも半額もしくは4分の1になるかもしれない。
1段階減量;1回400mgを1日1回投与
2段階減量;1回400mgを隔日経口投与
スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。