抗がん剤治療にかかる費用(薬剤費)

基本的に日々の業務の中での覚え書きになります。がん薬物療法における安全性や薬剤費(薬価)の概算などを中心に記載していますが、抗がん剤治療を受けている患者さまの経済的不安の解消につながれば幸いです。

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CEA(癌胎児性抗原)大腸がんなど消化器系がんの診断補助、病期判定、治療効果判定、経過観察
CEAは胎児の消化管粘膜と共通の抗原性を持つ糖蛋白である。CEAは正常でも消化管、呼吸器、皮膚など上皮組織に広く発現しており、血清CEA値はこれらの悪性・良性病変、あるいは生理的変化により上昇する。CEAは腺癌で高値を示すことが多いが、扁平上皮がんや神経内分泌細胞由来のがんなどでも上昇することがある。

CA15-3(糖鎖抗原15-3)乳がんの病期判定(原発性乳癌で高値を示した場合、進行乳癌を疑う)、治療効果判定、経過観察、予後推定
CA15-3はヒト乳脂肪球膜と乳癌肝転移細胞に対する2種類のモノクローナル抗体によって認識される糖鎖抗原である。再発乳癌の発現には、CA15-3とCEAを組み合わせた測定が有用である。

CA19-9(糖鎖抗原19-9)膵がん・胆道がんなど消化器系がんの診断補助、治療効果判定、経過観察、予後推定
CA19-9は血液型抗原ルイスAにシアル酸が付加した糖鎖抗原である。CA19-9は正常でも膵管、胆管、胆嚢、唾液腺、気管支腺、前立腺、胃、大腸、子宮内膜などに発現しており、これらの癌化により大量に産生される。

SCC抗原(扁平上皮癌関連抗原)扁平上皮癌を疑うときの診断補助、治療効果判定、経過観察
SCC抗原は扁平上皮の関連物質であり、正常扁平上皮細胞および扁平上皮癌細胞のどちらにも存在する。扁平上皮癌では細胞から放出されやすい亜分画が増加するため、血清SCC抗原値が上昇する。

AFP(α-フェトプロテイン)肝細胞がんなどの診断補助、治療効果判定、経過観察、予後推定
AFPは胎児期に肝と卵黄囊で産生される糖蛋白で、癌胎児性抗原のひとつである。AFPは1歳を過ぎると生体内ではほとんど産生されなくなるが、肝細胞の癌化などにより蛋白産生の調節も幼若化をきたし、再び産生されるようになる。AFPのみでは良性肝疾患との鑑別は困難である場合が多いため、経時的変化で上昇を確認するか、AFP-L3分画の測定を行う。AFPまたはPIVKA-Ⅱの定期的な測定は、肝細胞癌の早期発見を含めた慢性肝疾患の経過観察に有用である。

CA125(糖鎖抗原125)卵巣癌などの診断補助、治療効果判定、経過観察
CA125は卵巣漿液性嚢胞腺癌に対するモノクローナル抗体によって認識される糖鎖抗原である。CA125は正常でも腹膜、胸膜、心囊膜、卵管・子宮内膜などに発現しており、血清CA125値はこれらの悪性・良性病変、あるいは生理的変化により上昇する。CA125は子宮内膜症の診断補助、治療効果判定にも用いられている。

PSA(前立腺特異抗原)前立腺癌のスクリーニング、病期判定、治療効果判定、経過観察
PSAは前立腺上皮細胞から分泌される蛋白分解酵素であり、精液の液状化に関与している。PSAの多くは精液や尿に排泄されるが、一部は間質を経て血中へと移行する。血清PSA値は前立腺実質量の増加や前立腺組織の破壊などにより上昇する。加齢とともに前立腺実質量は増加し、血清PSA値も上昇するため、成人期以降の男性では健診時にPSA測定を繰り返すことは基礎値を知る上で有用であり、前立腺癌の早期発見に役立つと考えられている。
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腫瘍マーカーとは「正常細胞ではほとんど産生されずがん細胞から特異的に産生される物質や、がん細胞が生体内にあることによって産生される物質の中で、それを生体内あるいは生体から得られた試料内に検出することによって、がんの存在、部位、種類、進行度など、がんの状態を知る指標となるもの」のこと。

しかし、腫瘍マーカーは生理状態やがん以外の良性疾患などでも上昇することがあるため、腫瘍マーカーの検査時にはこれらによる変動を考慮する必要がある。

(臨床で利用されている腫瘍マーカー検査の多くは、その感度と特異度が低く、早期がんの発見には効力を発揮できない。そのため、腫瘍マーカー検査は、主として診察および画像検査などの他の検査の結果からがんが強く疑われる場合などに行われている。がんの診断を確定するためには、画像検査や病理検査などによってがんの存在を確認すること。)


がんの種類と検診・診断で用いられる主な腫瘍マーカー

肝がん:AFP、AFP-L3分画、PIVKA-Ⅱ
膵がん:CEA、CA19-9、Dupan-2、CA50、Span-1
胆道がん:CEA、CA19-9
食道がん:CEA、SCC抗原
胃がん:CEA、CA19-9、AFP
大腸がん:CEA、CA19-9、NCC-ST-439
肺がん:CEA
腺がん:シアリルSSEA-1(SLX)、CA19-9
扁平上皮がん:SCC抗原、CYFRA21-1
小細胞がん:NSC、ProGRP
乳がん:CEA、CA15-3、BCA225、NCC-ST-439
卵巣がん:CA125、CEA、CA19-9、CA72-4、GAT、AFP
子宮頸がん:SCC抗原、CA125
子宮体がん:CA125、CA19-9
前立腺がん:PSA、PAP
膀胱がん:BTA、NMP22

臨床検査の結果を解釈する際は、臨床検査の利用目的によって用いる判断基準(基準値やカットオフ値など)が異なる。
基準値:一定の条件を満たした健常人集団が示す測定値群のこと。
カットオフ値:主に目的とする疾患群について非疾患群との判別をする際に用いられる値。
遅発性の嘔吐に効くっていうアプレピタントがようやく日本でも処方できるようになりました。
宣伝文句としては、「日本初!選択的ニューロキニン1(NK1)受容体拮抗型制吐剤」ってわけだ。

このイメンドカプセルは主に中枢性の嘔吐反応経路に反応するため、今までの吐き気によく効くと言われていた薬剤のような急性期(24時間以内)だけでなく、遅発期(2~5日目)に対しても効果を発揮する!

【用法用量】
他の制吐剤との併用において、通常、成人にはアプレピタントとして抗悪性腫瘍剤投与1日目は125mgを、2日目以降は80mgを1日1回、経口投与する。

<使用上の注意>
がん化学療法の各コースにおいて、本剤の投与期間は3日間を目安とする。また、5日間を超えて本剤を投与した際の有効性、安全性は確立していない。→ってことは、遅発性の嘔吐がひどい場合は、5日間までは飲んでも良いと解釈した。
本剤は、抗がん剤の投与1時間~1時間30分前に投与し、2日目以降は午前中に投与すること。

と、なんとも分かりにくい飲み方である。しかも普段吐き気止めとして併用しているステロイドとの相互作用があるため、アプレピタントを服用するときはステロイドを半量に減量しないといけない。

アプレピタントも高額な上に、ステロイドと一緒に服用している5-HT3受容体拮抗型制吐剤(カイトリル、ゾフランなど)も高額である。

【薬価】
イメンドカプセル 125mg 4,945円/1カプセル
イメンドカプセル  80mg 3,380円/1カプセル、となりました。

通常は1日目に125mg(4,945円)、2、3日目に80mg(3,380円)ずつ飲むわけだから
1回の化学療法で、4,945円+3,380円×2=11,705円と言うことになります。

ちなみに、併用して服用する5-HT3受容体拮抗型制吐剤の薬価は、カイトリル1mg錠(870円)、ゾフラン4mg錠(1,513円)です。
吐き気が続き、イメンドカプセル80mgカプセルを4、5日目も服用した場合は、18,465円です。高ぇ...


イメンド毎週化学療法する患者にとっては、遅発性の嘔吐を抑制するために、5-HT3受容体拮抗型制吐剤+デカドロン(ステロイド)+イメンド(アプレピタント)が支持療法として定着してしまうと、ただでさえ治療費が負担になっているのに何とかならないもんだろうか?それとも気持ちが悪くてご飯も喉を通らないことを考えると安いもんなんだろうか?

3割負担だと3,500円くらいですね。これで嘔気嘔吐がコントロールできるなら良しとするか!


【主な副作用】
国内臨床試験では42.5%の副作用の報告がありました。
主なものは、しゃっくり(13.2%)、ALT(GPT)上昇(12.3%)(いわゆる肝機能の悪化です)、便秘(10.1%)、食欲不振(6.6%)、などなので怖がることはないでしょう。
しかし、重大な副作用には、皮膚粘膜眼症候群、穿孔性十二指腸潰瘍、アナフィラキシーなどがありますので注意が必要です。


【個人的なメモ】
CYP3A4で代謝される薬剤(デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、ミダゾラム等);特に併用されることが多いデキサメタゾンなどのコルチコステロイドと併用する場合には、必要に応じてこれらの薬剤を減量するなど用量に注意する。海外の試験では、静注よりも経口剤の方がその影響は大きかった。

なお、CYP3A4で代謝される抗悪性腫瘍剤であるドセタキセル、ビノレルビンでは、これらの薬剤のAUC等に薬剤の影響は認められなかったことが方向されている。同様にCYP3A4で代謝される5-HT3受容体拮抗型制吐剤であるオンダンセトロン、グラニセトロンでも、これらの薬剤のAUCに本剤の影響は認められなかった。
インフルエンザ脳症とは!を語る前に...

脳炎は、主にウイルスが直接、脳に入って増殖し、炎症を起こすもの。神経細胞がウイルスによって直接破壊されたりする。この時、脳の中にリンパ球、マクロファージといった炎症細胞が多数出現し、脳が腫れやすくなる。

脳症の場合は、脳の中にウイルスも炎症細胞も見当たらないが、それでも脳が腫れ、頭の中の圧力が高まってくる。このため脳全体の機能が低下してきて、意識障害を起こす。

インフルエンザ脳症とは、インフルエンザをきっかけとして生じた脳症という意味。


インフルエンザ脳症の原因

血管の細胞(血管内皮細胞)が炎症性サイトカインの影響を受けると、血管の透過性が強まり、血液中の水分やいろいろな物質が血管外の組織に漏れやすくなる。こうして組織が「腫れた」状態が生じる。通常、脳の血管は、こうした漏れを防ぐしくみがとくにしっかりしているが、インフルエンザ脳症の重症型では、このしくみが壊れてしまい、脳が腫れてしまう。

炎症性サイトカインが過剰に産生されやすい、またはサイトカインに対して血管などが過剰に反応しやすいなどのメカニズムが考えられる。

ある種の解熱剤(ジクロフェナクNa、メフェナム酸など)を服用するとインフルエンザ脳症の死亡率が上昇することが判明した。この理由について、血管内皮細胞をはじめとするいろいろな細胞障害から回復するのを、これらの薬剤が妨げてしまうことによるものではないかとの仮説がある。


インフルエンザ脳炎・脳症にみられた異常な言動

・ 自分の手をハムだ、ポテトだと言ってかじりついた。(oral tendency)
・ ついていないテレビをみて、猫がくる、お花畑がたくさんあると口走った。(大脳基底核・辺縁系の異常の可能性)
・ 咳をした後、枕に頭を打ち付けて、キャーキャー叫んだ。(扁桃体を含む大脳辺縁系の異常の可能性)
・ 突然、赤ちゃんのような喋り方で訳の分からないことを言う。
・ 知っている言葉をとりとめなく喋る。


インフルエンザに罹ったら...

インフルエンザは、突然の悪寒や発熱で始まり、頭痛全身のだるさ、関節や筋肉の痛みの他、鼻汁や鼻づまりなどの鼻の症状、喉の痛み、咳、痰などの気道の症状、腹痛、嘔吐、下痢などの消化器症状をしばしば伴う。

発熱に対して、氷枕や氷嚢は乾いたタオルで包んで、頭、首、脇の下、足の付け根などを直接冷やす。39℃以上の発熱があって、元気が無く、ぐったりしているようなら解熱剤(アセトアミノフェン)を使っても良い。体温が1~2℃下がればよい。


インフルエンザ脳症の症状

インフルエンザ脳症でよくみられる症状は、けいれん意識障害異常行動である。

けいれんは、筋肉のこわばりやガクガクとした動きで、1分程度の短いものから20分以上も続く長いものまで様々である。回数は1回だけのことも、何回も繰り返すこともある。

意識障害は、簡単に言うと眠ったようになってしまい、呼びかけや痛みで刺激しても目が覚めないような状態をいう。軽い意識障害の場合には、何となくボーッとしているとか、すぐにウトウトするというような状態のこともある。

異常行動は、ふだんとは全然違うおかしな言動で、さまざまなものがある。ゾウやライオンなどの動物やポケモンなどのアニメのキャラクターがやってくるなどの幻視・幻覚を中心とした意味不明の言動。親がそばにいるのに探したり、意味不明の言葉を喋ったり、理由もなくおびえたりもする。


熱性けいれんとの違い

・ 左右対称性のけいれんで、5分以内に自然に止まった。
・ けいれんは1回だけだった。
・ けいれんのすぐあとに意識が戻った。

という場合は熱性けいれんと考えて良い。
脳症の場合は、けいれんが止まったのに意識が戻らない、15~20分以上けいれんが止まらない、けいれんの前後に異常な言動がみられ、専門家でも区別が付きにくい。
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