抗がん剤治療にかかる費用(薬剤費)

基本的に日々の業務の中での覚え書きになります。がん薬物療法における安全性や薬剤費(薬価)の概算などを中心に記載していますが、抗がん剤治療を受けている患者さまの経済的不安の解消につながれば幸いです。

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閉経後乳癌治療薬のフルベストラントフェソロデックス筋注250mg)は、ステロイド性抗エストロゲン薬に分類される薬剤で、部分アゴニスト作用を有しておらず、タモキシフェンよりも強いエストロゲン拮抗作用を示す。また、乳癌細胞においてエストロゲン受容体をダウンレギュレートする効果を持つことから、国内初の「Selective Estrogen Receptor downregulator」(SERD)に分類される。

【効能・効果】
閉経後乳癌
閉経後の再発乳癌、もしくは進行乳癌治療薬として、すでに1種類以上の他の内分泌療法が実施された進行・再発乳癌の2次以降のホルモン治療に使用される。
つまり、現在、内分泌療法では、AI剤やTAMが標準治療として広く使われているが、時間の経過とともに癌細胞が耐性を獲得する。フルベストラントは閉経後術後内分泌療法での再発乳癌、内分泌療法が無効あるいは効果が得られなくなった進行乳癌の、新しい治療選択肢になると考えられる。

【用法・用量】
通常、成人には本剤2筒(フルベストラントとして500mg含有)を、初回、2週後、4週後、その後4週ごとに1回、左右の臀部に1筒ずつ筋肉内投与する。

【副作用】
国内で実施された臨床試験において、56例中38例(67.9%)に副作用が認められた。主な副作用は、注射部位疼痛16例(28.6%)、注射部位硬結13例(23.2%)、ほてり8例(14.3%)、注射部位そう痒感6例(10.7%)などであり、重大な副作用としては、肝機能障害、血栓塞栓症が報告されている。


【薬剤費の計算】
フェソロデックス筋注250mgの薬価は、50,313円/1筒になりました。
今回の薬剤は、1回に2筒投与するので、50,313円×2=100,626円です。
最初の頃は、初回、2週間後と短い間隔で投与していきますが、基本的には4週間ごとに投与していくことになるので、毎月薬剤費が発生することになります。

1回の投与に約10万円かかり、3割負担でも毎月約3万円の負担になってしまいます。
上手いこと同じ月に2回投与することになっても、合計約6万円で高額医療の恩恵を受けられません。なんとも患者泣かせの薬剤です...

因みに他のホルモン療法にかかっていた薬剤費は、
ノルバデックス錠20mg(369.5円×28日=10,346円)
アリミデックス錠1mg(573.4円×28日=16,055円)
アロマシン錠25mg(590円×28日=16,520円)
フェマーラ錠2.5mg(655.4円×28日=18,351円)
で、どれも1ヵ月あたり1万円から2万円弱でした。3割負担では、約3,000円から5,500円です。
まぁ、これらの薬剤が効かなくなって2次治療として投与するわけですからしょうがないですが、薬価が1桁違うのでもう少し下がってくれると嬉しいですね。
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ハラヴェン(エリブリンメシル酸塩1mg)が発売されました。適応は「手術不能又は再発乳癌」で、用法・用量は「1日1回1.4mg/㎡を2~5分間かけて週1回、2週連続で投与し、3週目は休薬する」です。これを1サイクルとして投与を繰り返していきます。

ハラヴェンは、細胞分裂に重要な役割を担っている微小管に作用します(微小管阻害薬)。微小管は、タンパク質のαチュブリンとβ-チュブリンが重合した二量体で構成されています。ハラヴェンは、このチュブリンの重合を阻止して微小管の伸長を抑制します。


ここでまた、薬剤費の計算です。
今回も、身長155cm、体重50kg、体表面積1.42㎡の女性を想定して考えてみます。

ハラヴェン静注1mg/2mLの薬価は6万4070円(1瓶)でした。
体表面積1.42㎡の女性の場合、1回の投与量は1.4mg/㎡×1.42㎡=1.99mgで2瓶必要になります。
よって1回の薬剤費は64,070円×2瓶=128,140円です。(3割負担だと約3万8千円

お気付きかもしれませんが、身長155cm、体重50kg、体表面積1.42㎡で、投与量が1.99mgとギリギリ2瓶ですんでいますが、あとちょっと身長なり体重なりが多い方だと3瓶になってしまいます。
その場合は、先ほど計算した薬剤費を1.5倍にして考えて下さい。

手術不能又は再発乳癌に新たな薬剤が追加されましたが、現在の位置づけとしては3rd lineあたりのようです。前治療があり単剤でも効果を発揮する薬剤であると期待はありますが、副作用では骨髄抑制が顕著に現れます。
また、投与時間が短いのも魅力です。ご自分のライフスタイルや前治療による副作用の発現状況などと相談しながら選択して下さい。
初期乳がんの術後補助化学療法として、タキソテール(ドセタキセル)とエンドキサン(シクロホスファミド)を投与(TC療法)すると、標準的な化学療法であるアンスラサイクリン系抗がん剤アドリアシン(ドキソルビシン)とエンドキサン(シクロホスファミド)を投与(AC療法)した場合に比べて、全生存率を改善できることが明らかになりました。

TC療法群は、
タキソテール 75mg/㎡、エンドキサン 600mg/㎡ を21日おきに4回投与。
AC療法群は、
アドリアシン 60mg/㎡、エンドキサン 600mg/㎡ を21日おきに4回投与。

TC.jpg今回は、身長155cm、体重50kg、体表面積1.42㎡の女性を想定し、薬剤費を考えてみたいと思います。

TC療法
タキソテール 75mg/㎡×1.42㎡=106.5mg
67,304円(80mg/V)×1+19,660円(20mg/V)×2=106,624円
エンドキサン 600mg/㎡×1.42㎡=852mg
871円(500mg/V)×1+221円(100mg/V)×4=1,755円
→106,624円+1,755円=108,379円×4回=433,516円(約43万円

AC療法
アドリアシン 60mg/㎡×1.42㎡=85.2mg
2,326円(10mg/V)×9=20,934円
エンドキサン 600mg/㎡×1.42㎡=852mg
871円(500mg/V)×1+221円(100mg/V)×4=1,755円
→20,934円+1,755円=22,689円×4回=90,756円(約9万円

以上のように、TC療法とAC療法の薬剤費を計算しますとTC療法が全4コースで約43万円、AC療法が全4コースで約9万円となり、効果が同等であるならばAC療法の方が安上がりである訳ですが、一般的に乳がん術後補助化学療法では、AC療法4コースの後にパクリタキセル 175mg/㎡を全4コース行わなければなりません。(AC followed by PTX)

パクリタキセル 175mg/㎡×1.42㎡=248.5mg
25,543円(100mg/V)×2+8,644円(30mg/V)×2=68,374円×4コース=273,496円(約27万円
(現在、パクリタキセルは後発品が発売されているため、かなり薬価が下がりました)

よって、AC followed by PTXは、約9万円+約27万円=約36万円になります。パクリタキセルも後発品が発売される前は、同様に薬剤費を計算すると約47万円ほどになり、それだけでもTC療法の薬剤費を上回っていた訳ですが、後発品が発売されるようになってからは、ずいぶん薬価を抑えられるようになりました。

そうなりますと、TC療法(約43万円)とAC療法 followed by PTX(約36万円)では、効果が同等であるならば、TC療法のメリットは全4回で治療が済んでしまうと言うことしかないような気がしてきました...
抗HER2モノクローナル抗体製剤のハーセプチン(トラスツズマブ)は、HER2過剰発現が確認された乳がんにおける術前補助化学療法として効能/効果の追加、およびHER2過剰発現が確認された転移性乳がんにおける3週間1回投与の用法/用量の追加で公知申請されました。

※公知申請(こうちしんせい)とは、承認済医薬品の適応外処方について科学的根拠に基づいて医学薬学上公知であると認められる場合に、臨床試験の全部または一部を新たに実施することなく効能または効果等の承認が可能となる制度です。

これにより、現在、転移性乳がんにより治療をされている患者でHER2陽性の場合は、毎週ハーセプチンの投与を行うために病院へ出向いている訳ですが、今後は3週間に1回でよいことになります。
今回の申請による解釈では、ハーセプチン単独療法という訳ではなく、その他の抗がん剤との併用療法でも適応になります。そのため、併用している薬剤が毎週投与であれば、ハーセプチン3週毎投与の恩恵が受けられません。パクリタキセルの毎週投与法やビノレルビンの2週投与ではなく、パクリタキセルやドセタキセルの3週投与と組み合わせるレジメンの方が今回の公知申請の恩恵を受けることができます。


トラスツズマブを3週間間隔で投与する場合、初回投与時は8mg/kg、2回目以後は6mg/kgで点滴静注します。また、毎週投与する場合は、初回投与時は4mg/kg、2回目以後は2mg/kgを点滴静注します。よって、初回投与時を除いて考えると、単純に3倍となる(2mg/kg×3→6mg/kg)ため薬剤費は変わりません。変わらないはずです...

ハーセプチンは150mg製剤60mg製剤があるので、体重により若干誤差が出るかもしれないので、今回も身長155cm、体重50kg、体表面積1.42㎡の女性を想定して薬剤費を計算しておきたいと思います。

ハーセプチン3週毎投与:6mg/kg×50kg=300mg
56,110円(150mg/V)×2=112,220円

毎週投与:2mg/kg×50kg=100mg
23,992円(150mg/V)×2=47,984円×3週=143,952円

やはり誤差(損)が発生してしまいましたね。毎週投与では20mgが残液廃棄分として請求されてしまったり、60mg製剤の方が割高であることが原因です。3週間で143,952円-112,220円=31,732円ですから、1年間に換算すると約55万円の損をしてしまいます。

ただ、今回の場合(50kg)は毎週投与の方が不利になりましたが、55kgでは3週毎投与の方で残液が多く発生するので、どちらが良いかは一概に言えません。むしろライフスタイルに合わせた投与方法を選択する方が、お金に換えがたい生活の質を向上させてくれるのではないでしょうか?


ハーセプチン(トラスツズマブ)は、HER2陽性乳がん患者の治療薬として、約3年前より術後補助療法にも健康保険を利用できるようになりました。それは術後補助療法にトラスツズマブを1年間投与した群と投与しなかった群では、再発のリスクを36%、死亡のリスクを34%下げることが、大規模術後補助療法の臨床試験HERA試験で明らかにされたからです。

術後補助療法として利用する場合、1日1回トラスツズマブを初回投与時は8mg/kg、2回目以後は6mg/kgを3週間間隔で点滴静注します。

今回も、身長155cm、体重50kg、体表面積1.42㎡の女性を想定し、薬剤費を考えてみたいと思います。

ちなみに、ハーセプチンによる術後補助化学療法は1年間とされていますので、1年間を単純に3週間で割って全18回投与として計算します。
(副作用などによりスキップした日はカウントせずに1年を超えても全18回投与するか?スキップした日もカウントして全18回投与していなくても1年間で終了するか?は病院によって異なります。)


ハーセプチン初回:8mg/kg×50kg=400mg
56,110円(150mg/V)×2+23,992円(60mg/V)×2=160,204円
2回目以降:6mg/kg×50kg=300mg
56,110円(150mg/V)×2=112,220円

160,204円×1回(初回)+112,220円×17回(2回目以降)=2,067,944円(約200万円

ハーセプチンの投与を1年間追加することにより、再発リスク、死亡リスクを下げると言いますが、薬価で約200万円/1年間と言うことは、約17万円/月になります。ハーセプチン投与の前にはアンスラサイクリン系薬剤やタキサン系薬剤の投与も受けていると思われますので、全体的なことを考えると高額療養費制度の申請が必要になりますね。
アブラキサンは、アルブミンとパクリタキセルを結合させたナノ粒子製剤である。ナノ粒子製剤とすることで、過敏症を防ぐためのステロイド薬などの前投薬を考慮する必要がなく、薬剤の点滴時間が30分と短縮されるため、患者の負担を軽減できると期待されている。
また溶媒を用いたパクリタキセルに比べて、アブラキサンの方が奏効率が高く、TTP(増悪までの時間)をより延長することが明らかになっている。
転移性乳癌患者に対するセカンドラインとして使用すると、生存期間をより延長することが確認されている。
タキサン系抗癌剤抵抗性の乳癌にも有効であることが示されている。

【用法及び用量】
通常、成人にはパクリタキセルとして、1日1回260mg/m2(体表面積)を30分かけて点滴静注し、少なくとも20日休薬する。これを1コースとして、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

【副作用】
海外第III相試験の総症例229例における副作用の発現率は98.7%(226/229例)であり、主な副作用は脱毛(90.4%)、好中球減少(80.1%)、白血球減少(71.7%)、末梢神経障害(71.2%)、貧血(46.5%)、リンパ球減少(45.6%)、疲労(38.9%)、関節痛(31.9%)、悪心(29.3%)、筋肉痛(26.6%)、下痢(24.9%)であった(承認時)。


アブラキサン点滴静注用 100mgの薬価は5万6982円(1瓶)になりました。
体表面積1.5㎡の女性の場合、1回の投与量は390mgとなるため4瓶必要になります。56,982円×4瓶=227,928円

アブラキサンつまり、1回の治療に必要な薬剤費は約23万円で、3割負担だと7万円になります。

これを3週間毎に繰り返す訳だから、1年間に17回投与すると薬価で387万円、3割負担で116万円です。


ちなみに、アブラキサンではなくタキソールで治療をした場合の薬剤費はおいくらになるんでしょうか?

【用法及び用量】A法
通常、成人にはパクリタキセルとして、1日1回210mg/m2(体表面積)を3時間かけて点滴静注し、少なくとも3週間休薬する。これを1クールとして、投与を繰り返す。

同様に体表面積1.5㎡の女性の場合、1回の投与量は315mgとなるため100mg/V(34,996円)が3瓶と30mg/V(11,915円)が1瓶必要になります。34,996円×3瓶+11,915円=116,903円
よって、1回の治療に必要な薬剤費は約12万円で、3割負担だと3万5千円です。

先発品のタキソールもずいぶん薬価が下がりました。アブラキサンと比べると半分の薬剤費で治療ができます。また、タキソール(パクリタキセル)は多くの製薬会社から後発品が発売されているので、もっと安く治療が受けられるかもしれませんね。
ただし、冒頭でも述べたとおり、アブラキサンは、前投薬が必要ない、投与時間が短い、奏功率、TTP、抵抗性など... の有用性が認められているため、金銭的なことだけで一概に判断できません。
先日の勉強会で得てきた知識の覚え書きに治療費をちょこっと付け加えておきます。

抗がん剤治療を行うと妊娠できる確率は減るのか?
・そもそも30歳を過ぎると自然に妊娠する確率も減る。
・30歳までは39%をキープしてくるがそこから右肩下がり。38歳では24%である。

抗がん剤治療を行うと卵子の数は減るのか?
・卵子が作られるのは、患者が産まれる前の胎生6ヵ月(700万個)まで。
・その後は減っていくのみで、新たに作られことはない。思春期で20-40万個。閉経頃には1000個。
・確かに化学療法により数はガクンと減り、その後はいつも通りのペースで減っていく。閉経が早くに到来。

化学療法によって永久に無月経になる可能性は?
・年齢とレジメンによる。
・40歳以上でCMF、CEF、CAFを行うと80%以上の確率で無月経になる。
・タキサン系の確率は低い。
・ホルモン療法も治療なし群と比べて無月経率は高い。
・GnRHアナログ治療は回復する確率が高いが、10%は月経が戻らない。

GnRHアナログ製剤

ゾラデックス3.6mgデポ(ゴセレリン3.6mg、ゴセレリン酢酸塩として3.8mg) 43,856円
【用法及び用量】
通常、成人には本剤1筒(ゴセレリンとして3.6mg含有)を前腹部に4週(28日)ごとに1回皮下投与する。
2年間投与すると、43,856×24回=約105万円(3割負担で約30万円)です。

【副作用】
ゾラデックス リュープリン承認時までの調査及び使用成績調査における総症例2,574例中、713例(27.7%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が1,318件報告された。主な副作用は、ほてり13.6%(350件)、ALT(GPT)上昇3.0%(76件)、AST(GOT)上昇2.3%(59件)を含む肝臓・胆管系障害5.2%(133例)、コレステロール上昇2.2%(56件)、トリグリセライド上昇1.5%(38件)を含む代謝・栄養障害5.4%(139例)、頭重感2.6%(68件)であった。(承認時まで及び再審査終了時の集計)

リュープリン注射用キット3.75(リュープロレリン酢酸塩 1.88mg) 45,746円
【用法及び用量】
通常、成人には4週に1回リュープロレリン酢酸塩として3.75mgを皮下に投与する。
2年間投与すると、45,746×24回=約110万円(3割負担で約33万円)です。

リュープリンSR注射用キット11.25(リュープロレリン酢酸塩 11.25mg ) 81,743円
【用法及び用量】
通常、成人には12週に1回リュープロレリン酢酸塩として11.25mgを皮下に投与する。
2年間投与すると、81,743×8回=約65万円(3割負担で約20万円)です。

【副作用】
国内臨床試験において安全性が評価された93症例中90例(96.8%)に臨床検査値の異常を含む副作用が報告された。自他覚的副作用については低エストロゲン症状、注射部位障害等が重点的に調査され、主たる副作用は、熱感・ほてり・のぼせ72例、頭痛・頭重45例、発汗・寝汗18例、注射部位障害42例(主として軽度の硬結)、悪心・嘔吐21例であり、1例は熱感・頭重感・悪心により、1例は注射部位硬結・痛みにより中止された。また、主たる臨床検査値異常は、γ-GTP上昇16例、ALT(GPT)上昇14例、AST(GOT)上昇11例等であった。
海外臨床試験において安全性が評価された294症例中280例(95.2%)に臨床検査値の異常を含む副作用が報告された。主たる副作用は、ほてり245例、体重増加234例、多汗228例等であった。


エストラジオールが高くならないように排卵誘発する方法は?
・レトロゾールとFSHで誘発した場合、あまりエストラジオールを上昇させずに多くの受精卵を得ることが可能であり、乳癌患者でも比較的安全に排卵誘発ができる。

フェマーラ錠2.5mg(1錠中レトロゾールとして2.5mg ) 655.4円
【用法及び用量】
通常、成人にはレトロゾールとして1日1回2.5mgを経口投与する。
1ヵ月服用すると、655.4×30日=約2万円(3割負担で約6,000円)です。

【副作用】
国内臨床試験における安全性評価対象症例290例中119例(41.0%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。そのうち臨床症状が25.9%(75例)、臨床検査値異常が25.2%(73例)であった。主な臨床症状は、ほてり6.6%(19件)、頭痛3.1%(9件)、関節痛2.8%(8件)、悪心2.4%(7件)、発疹2.1%(6件)、そう痒症2.1%(6件)、浮動性めまい1.7%(5件)等であった。また、臨床検査値異常の主なものは、血中コレステロール増加8.7%(23件/265例中)、ALT(GPT)増加7.9%(22件/278例中)、ALP増加7.3%(20件/275例中)、γ-GTP増加6.6%(17件/258例中)、AST(GOT)増加6.4%(18件/280例中)等であった。
「HER2過剰発現が確認された手術不能又は再発乳がん」の適応でタイケルブ(ラパチニブ)が2009年6月に薬価収載されました。本剤の投与を行う場合は、アンスラサイクリン系抗がん剤、タキサン系抗がん剤、トラスツズマブ(ハーセプチン)による治療を行ったにもかかわらず、増悪もしくは再発した患者を対象とします。

術前・術後補助療法における有効性及び安全性は確立しておりません。

【用法用量】
カペシタビン(ゼローダ)と併用で、ラパチニブとして1250mgを1日1回、食事の1時間以上前又は食後1時間以降に経口投与する。ラパチニブは食事の脂肪分により吸収に影響が出るので食間服用なのです。

ラパチニブ(タイケルブ)は大きな錠剤(長径:19.1mm、厚さ:6.9mm)であることと、一回に250mg錠を5錠も飲まないといけないことから、2回に分けたいところですが、分割投与した場合はAUCが上昇するので禁止になっています。

【投与スケジュール】
タイケルブ1250mg1日1回連日投与カペシタビン(ゼローダ)1000mg/㎡1日2回14日間投与し、7日間休薬します。

つまり、3週間サイクルで
タイケルブは250mg錠(1,620.70円)を1日5錠、3週間だと105錠で170,173円
ゼローダは体表面積1.2㎡とすると300mg錠(354.10円)を1日8錠、14日間で112錠となり、3週間サイクルで39,659円になります。

1日で考えるとタイケルブが約8,000円でゼローダが約3,000円となり、合算すると11,000円1ヵ月で考えるとゼローダの休薬などもあるので30万円。3割負担で9万円です。
わが国の乳がん罹患数は年々増加傾向にあり、女性における乳がん罹患率は1999年にはこれまで1位だった胃がんを抜いて1位となりました。また、死亡数は、胃がん、肺がんについで3位であり、今後も増加傾向にあります。手術適応例でも術後10年以内には約30%の方が再発してしまうと悲しい現実もあります。

2004年の死亡数は9,885人で、1999年の罹患数は36,139人です。リスクファクターには、年齢、乳がんの家族歴、乳腺増殖性疾患の既往、早い初潮、遅い閉経、遅い第1子出産、少ない出産回数、ホルモン補充療法、肥満、高脂肪食、アルコール摂取などあります。

最初に病院を受診したときに、転移を有する進行乳がんと診断される方は10%以下ですが、その中で転移を有する症例の5~10%の方は5年以上の生存を望めます。しかし、転移性乳がんは治癒が不可能なため、治療の目的は症状の緩和(延命)になります。

今回は、ホルモン感受性がなく、HER2/new過剰発現ありと診断された患者を想定して治療費を考えたいと思います。HER2/new過剰発現がなければ、タキソール®(パクリタキセル)やタキソテール®(ドセタキセル)の単剤投与となりますが、HER2/new過剰発現ありの場合は、ハーセプチン®/タキソール®併用療法となります。

<HER/PTX併用療法>
HER 2mg/kg day 1,8,15,22 (4週ごと)
PTX 80mg/㎡ day 1,8,15 (4週ごと)

身長155cm、体重50kgの女性の場合、体表面積は1.42㎡になります。
HER(ハーセプチン®) 2mg/kg×50kg=100mg(投与量)  
30,258円(60mg/V)×2=60,516円×4回=242,064円

PTX(タキソール®) 80mg/㎡×1.42㎡=113.6mg(投与量)  
43,768円(100mg/V)×1+14,795円(30mg/V)×1=58,563円×3回=175,689円

1ヶ月の薬剤費用が、242,064円+175,689円=417,753円です。

医療保険の対象になりますから3割負担ですが、転移・再発乳がんの治療は治癒を目的としているわけではないので、何コースで終了というわけではありません。1年間治療して半年休薬し、再度半年間治療しその後治療困難となることが多いようです。

よって、一般的に転移・再発乳がん治療にかかる薬剤費用は、417,753円/月×18ヶ月=7,519,554円です。3割負担、高額医療制度などありますので、そのままの金額を支払うことはないと思いますが(医療保険についてはよく分かりません...)、この抗がん剤治療は外来化学療法で行いますので、包括医療制度の対象外になります。



ちなみにHER2/new過剰発現なしの場合は、タキソール®(パクリタキセル)やタキソテール®(ドセタキセル)の単剤投与になりますが、薬剤費は以下の通りです。

<PTX療法>
PTX 80mg/㎡ day 1,8,15 (4週ごと)

PTX(タキソール®) 80mg/㎡×1.42㎡=113.6mg(投与量)  
43,768円(100mg/V)×1+14,795円(30mg/V)×1=58,563円×3回=175,689円×6=1,054,134円/半年


<DTX療法>
DTX 70mg/㎡ day 1 (3週ごと)

DTX(タキソテール®) 70mg/㎡×1.42㎡=99.4mg(投与量)  
70,893円(80mg/V)×1+20,600円(20mg/V)×1=91,493円×8=731,944円/半年

半年の薬剤費が、PTX(タキソール®)で1,054,134円、DTX(タキソテール®)で731,944円です。転移臓器への移行性の問題もありますが、同効果なら経済的な選択肢もあるんではないでしょうか?



また、これらの薬剤で効果がない、副作用などによって継続出来ないというときは、ナベルビン®単剤投与やカペシタビンの内服療法に切り替わります。

<VNB療法>
VNB 25mg/㎡ day 1,8 (3週ごと)

VNB(ナベルビン®) 25mg/㎡×1.42㎡=35.5mg(投与量)  
26,359円(40mg/V)×1=26,359円×2回=52,718円×8=421,744円/半年


<カペシタビン療法>
カペシタビン 2500mg/㎡ 分2 day 1~14 (3週ごと)

カペシタビン(ゼローダ®) 2500mg/㎡×1.42㎡=3550mg(投与量)  
368.7円(300mg/錠)×12=4424.4円×14日=61,941.6円×8=495,532.8円/半年

ハーセプチン®を併用した化学療法では、薬剤費が高額になってしまいますが、HER2/new過剰発現なしで併用できない場合、あまり効果に差がないのであれば経済的な理由も含めて治療法を考えていきたいですね?
わが国の乳がん罹患数は年々増加傾向にあり、女性における乳がん罹患率は1999年にはこれまで1位だった胃がんを抜いて1位となりました。また、死亡数は、胃がん、肺がんについで3位であり、今後も増加傾向にあります。手術適応例でも術後10年以内には約30%の方が再発してしまうと悲しい現実もあります。

2004年の死亡数は9,885人で、1999年の罹患数は36,139人です。リスクファクターには、年齢、乳がんの家族歴、乳腺増殖性疾患の既往、早い初潮、遅い閉経、遅い第1子出産、少ない出産回数、ホルモン補充療法、肥満、高脂肪食、アルコール摂取などあります。

乳がんの治療は、初発(初めて乳がんと診断)か再発?ホルモン感受性の有り無し?によって治療方針が変わってきます。今回は、初めて乳がんと診断され手術後にホルモン感受性が無いため、化学療法(抗がん剤治療)を行うことになったと想定して治療費を考えます。

通称、術後補助療法といわれる抗がん剤治療は、4コースのAC療法もしくは6コースのCMF療法が行われます。再発リスクが高い場合は、AC療法に引き続いて4コースのタキサン系薬剤(パクリタキセル・ドセタキセル)の併用療法が行われます。

患者の状態(高齢や脱毛がどうしても嫌)によっては、CMF療法を選択することもありますが、AC followed by PTX といってAC療法4コースの後にタキソール®(パクリタキセル)を4コース行うのが主流になっています。

初発の乳がんは、手術後いかに再発させないか!が目標になっています。なので、ちょっときついです...

<AC followed by PTX>
ADR 60mg/㎡ day 1 (3週ごと)
CPA 600mg/㎡ day 1 (3週ごと) 
4サイクルに引き続き、

PTX 175mg/㎡ day 1 (3週ごと) 
4サイクル

身長155cm、体重50kgの女性の場合、体表面積は1.42㎡になります。

ADR(アドリアシン®) 60mg/㎡×1.42㎡=85.2mg(投与量)  
2,590円(10mg)×9=23,310円×4サイクル=93,240円
CPA(エンドキサン®) 600mg/㎡×1.42㎡=852mg(投与量)  
945円(500mg)+237円(100mg)×4=1,893円×4サイクル=7,572円

PTX(タキソール®) 175mg/㎡×1.42㎡=248.5mg(投与量)  
43,768円(100mg)×2+14,795円(30mg)×2=117,126円×4サイクル=468,504円

よって、乳がん術後補助療法にかかる費用は569,316円です。もちろん医療保険の対象になりますから3割負担です。この化学療法は、再発させないための治療であり(乳がんは再発させないことが重要!)、この治療費を高く感じるかは10年後のことを考えると安い?かも...
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