抗がん剤治療にかかる費用(薬剤費)

基本的に日々の業務の中での覚え書きになります。がん薬物療法における安全性や薬剤費(薬価)の概算などを中心に記載していますが、抗がん剤治療を受けている患者さまの経済的不安の解消につながれば幸いです。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- --:-- | スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-) |
<絨毛性疾患の分類>

絨毛性疾患は病理学的、臨床的に胞状奇胎(全奇胎、部分奇胎、侵入奇胎)、絨毛がん(妊娠性、非妊娠性)、placental site trophoblastic tumor(PSTT)、存続絨毛症(臨床的絨毛がん、臨床的侵入奇胎、奇胎後hCG存続症)の4つに分類される。

胞状奇胎
全奇胎、部分奇胎は、短径2mm以上の嚢胞化した絨毛の存在で診断され、すべての絨毛が嚢胞化した全奇胎と嚢胞化が一部分に限局した部分奇胎に分類される。

侵入奇胎
胞状奇胎掻爬後10~20%に侵入奇胎、絨毛がんを発症する。

絨毛がん
絨毛がんは胞状奇胎を含むすべての妊娠に続発する悪性腫瘍であり、30~50%は胞状奇胎を先行妊娠とする。

PSTT
PSTTはintermediate trophoblastが腫瘤を形成した疾患であり、絨毛がんと同様すべての妊娠に続発して発症する。以前はtrophoblastic pseudotumorと呼ばれ予後良好な疾患と考えられていたが、死亡例が報告されPSTTと診断されるようになった。


侵入奇胎では、メソトレキサート(MTX)の筋注を行うことが多い。
投与方法は次の二通りで、いずれも休薬期間は10~14日間である。

MTX 0.4mg/kg(20mg)筋注、5日間(MTX 5-Day schedule
MTX 1mg/kg(day1、3、5、7)筋注+ロイコボリン 0.1mg/kg(day2、4、6、8)筋注(MTX-FA

体重50kgの女性の場合の薬剤費を計算します。
注射用メソトレキセート50mgは、3,052円/1瓶。ロイコボリン注3mgは、516円/1A。

MTX 5-Day scheduleでは、3,052円×5=15,260円です。
MTX-FAでは、3,052円×4+516円×2A×4=16,336円です。

どちらの治療を選択しても、3割負担として2週間毎に約5千円/1回を支払うという計算になりました。

あまり高額な薬剤費ではありませんでしたが、この疾患自体が妊娠に続発する病であることと、奇胎掻爬後の妊娠許可までの期間が6ヵ月と定められていることなどを考えると、金銭的なことよりも女性の心のケアの方が大事になるかもしれません。
スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。